森 立志堂

宝石・時計・眼鏡・金売買       

花と宝石の共通点について。

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花は良い。

そこにいるだけで咲くことへの懸命さを感じられるからだ。

人は、いつも何かを考えている。

きっと、答えなんてない禅問答を考えはじめる。

終わりの見えない不安から、焦りを感じ、いつも不平や不満がある。


花はそんなことを考えたりはしない

花はただそこに咲いてるだけだ

ただただ、精一杯咲いて、いつかは何も言わずに枯れていく

そんな花が好きな人が多いように思う。


「宝石は、枯れない花である」と言えることができる。


宝石は、花のように何も考えない。

ただそこに、たたずむだけで人々にきれいなものを見たときの感動を与え続けている。

地球が何億年かけて作った鉱物を、人間の手で、カッティングされ、

見る人を魅了する輝きを手に入れる。


自然界のうちに形成された天然石は、1mm成長するだけで、途方もない年月が

必要とされる。


宝石は、人の傍らにいるだけで、

懸命に作り出された地球の息吹が聞こえてくるようである。


その宝石にかかわる仕事ができることは、

この上ない「しあわせ」なのだと感じることがあるし、

それ以上に、宝石を通じて、お客様とのさまざまなお話をさせていただく

ことが、何よりも恵まれていると感じる。



ただ、人間は、花や宝石のようには、単純に考えられないが、

見て習うことはできる。




「置かれた場所で咲きなさい」という言葉が流行ったことがあるが

どのような環境で咲くことに挑戦するのか、花は選べない。

どのような環境でも懸命に生きて、咲こうとする花と、枯れることのない宝石の

共通点は、人に、きれいだ、美しいとほんの少しの高揚感を

感情にプラスしてくれることだ。

それは、人の人生に彩を加え、幸せの感受性を豊かにしてくれる。



今では、チューリップが長く咲いてくれているし、

宝石は、どのような時代になっても、それを、愛でる人間が、

どのような年齢であったとしても、

美しく、魅力的であることにかわりはない。



不安になりやすいこんな時だからこそ、

宝石の本質に気付く機会をいただいたのだろう。


 
2020年04月24日 18:49