電池交換の今
今日は視点を変えて電池交換の昔と今を語ろうと思います。
昔と比べて時計店は、「扱っていない時計は電池交換しない」というお店が増えてきました。
そこで、なんで電池交換の事情が変わってきたのか語ってみようと思います。
電池交換が最盛期の頃は、クリーニング屋さんや、金物店、カメラ屋さんまで
時計と関係ないお店まで電池交換をしていました。
いわば副業として電池交換をしていたわけです。
ホームセンターなどでもパートのおばちゃんたちが
当たり前のように手掛けていたし、立志堂でも電池交換は、
社員ならだれでも出来るようになっていました。
電池交換の需要がかなりあったことと
電池交換自体がさほどリスキーではなかったことが
主な理由です。
しかし、現在では、事情が変わってきております。
現在では電池交換自体が非常にリスクの高い作業になっております。
その内情は、
①時計部品供給の期限切れ
例えば電池交換の作業中にコイルを傷つけてしまうなど
(正直、万に一つの可能性があるくらいの非常に低い確率ですが…)
あれば時計事態を弁償せざる負えなくなることがあります。
クォーツ時計発売から60年余りたつのだから古い時計は時計部品が
ないというのも仕方のないことだと思います。
修理ができないものも多くなってきているということ。
②多種多様なブランド風時計が出回っていること
預かるときによほど慎重に観察したうえで預からないと
あとから面倒なことになりかねない。
現代では本当に多種多様なブランドの時計が出回っています。
個人作家のものから名前を変えただけで同じ商品のものまでありますし、
有名ブランドのコピー商品も簡単に手に入ります。(コピーは、だいたいわかりますが・・・)
預かっていい品物かどうかの見極めが非常に大事になって来ている
時代なのだと思います。
それだけリスクの高い電池交換なので、
最近では、扱っていない時計は、と断るお店が多くなっています。
市場に流れ込んでくる品物の多様性が電池交換のリスクを高めているのだと
言わざる負えない。
時計店なんだから全部できて当たり前。というご指摘は、ごもっともなのですが
日頃より情報収集を心がけていてなお一層の勉強をしていても
なかなかすべての時計を電池交換するということはできない。
立志堂では、自店で販売した時計はすべて電池交換、修理いたしますし、
セイコー、シチズン、カシオならどの時計でも電池交換を
させていただきます。
電池交換の昔と今を時計店の現場からお伝えしました。
2019年07月06日 10:13