森 立志堂

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なぜ真珠は冠婚葬祭の正式なジュエリーとなりえたのか?

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はじめに、

真珠は冠婚葬祭に身につけるジュエリーとして

正式なジュエリーとされています。

結婚式やお葬式など、人生の節目に寄り添うジュエリーを

20歳の成人のプレゼントや結婚する前にプレゼントする

ジュエリーとして定番となっております。

しかし、いつから真珠が葬儀に正式なジュエリーとされているのか、

起源は、どこから来ているのでしょうか?

なぜ真珠は、葬儀の正式なジュエリーと

呼ばれるのかを見ていきましょう。



元々葬儀では、アクセサリーを着けないのが主流でしたが、

真珠だけは許されるようになりました。

着用する場合は、お祝いの席よりも

厳格にマナーを守ることが大切となります。







まず、第一に

華美な装飾は、故人を偲ぶべきジュエリーとしてふさわしくない。

という理由があげられます。

葬儀では、ダイヤなどキラキラとしたものは、

故人を偲ぶ場では不謹慎であり、失礼である。

故人を偲ぶために参加するのであれば、

故人に対しての礼儀を払うべきであるという考え方です。

また、悲しみの出来事が重なるという意味で

真珠のネックレスでも、2連や3連のネックレス、

ロングネックレスなどは、着用しません。








第二に

宝石につけられている意味合いとして真珠は、

「月の涙」を象徴しているという点。

パールは「月の涙」を象徴するジュエリーといわれ、

「1965年 イギリスのエリザベス女王が

 イギリスのウィンストン・チャーチル首相の国葬の時に、

 何もジュエリーを付けていかないのは、失礼であり、

 ジュエリーによって悲しみを表現できるパールを着用し

 参列されました」

このエピソードにより婦人たちもそれに習ったのが、

きっかけであるといわれています。

ちなみにヴィクトリア女王は、

真珠ではなくジェットを愛用されていたとされています。











第三に

挙げられるのは、真珠は、強い守護力を

持つとされていることです。


昔から船乗りや漁師など、海難事故に合わないようにと

お守りとされてきました。

昔の弔事では、塩が帰りにに配られていました。


それと同じように葬儀にパールが利用されるのも

魔除けやお守りとしての意味合いもあるのでしょう。









第四に

4つ目にヨーロッパでの習慣ですが、

ヨーロッパでは、「成人する娘にパールネックレスを贈る」

という習慣が
あったそうです。

年を重ねても使い続けるジュエリーとして、


大人のたしなみを身につけなさいと親から贈られるジュエリーは、

親から最後の「おくりもの」(教育)なのかもしれません。



西洋文化の中では、正式にドレスアップすることで

相手に対し礼儀を尽くすという文化もあるようです。










まとめ

すなわち、パールのネックレスは、西洋の洋服文化の

日本への普及により、ネックレスを身につけ
ドレスアップすることで

相手への礼儀を尽くすという姿勢が日本人に浸透されるとともに、


パールを身につけることによって、悲しみを表現することが、

現代では、一般的な礼儀とされてきているということです。





しかし、西洋文化にならってネックレスを

付けるということだけではなく、


そこには、アコヤ真珠の世界初の養殖に成功したのは、

日本人であるという日本が誇る要素も
付加されて真珠は、

冠婚葬祭の正式なジュエリーとして日本人の間で

特に広まったのだと考えられます。


養殖することによって真珠のネックレスが、

当時フランス、パリで取れる天然の真珠よりも


価格的に抑えられ、手にしやすい価格に

なってきたことも重要な出来事です。





葬儀のあり方も現代では、

多様化しておりますが、故人を偲ぶことを


宝石によって表現し、故人に礼儀を尽くすという、

人間の文化的な礼儀作法の示し方は、

今後ともなくなることはないでしょう。








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2020年07月18日 15:26