森 立志堂

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「浄化」ってなんなの?

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はじめに、

「浄化」という言葉を聞いたことがあると思います。

スピリチュアルブームが起こり、

パワーストーンブレスに対して浄化しておきますね。とか、

元気のなさそうな人に対して浄化しましょうか?

というスピリチュアルな方や

場の空気が悪いような気がして浄化しなきゃ!など

使い方は様々ですが、

聴いただけではわからない「浄化」とは、

いかなるものなのか。

言葉の意味を表すと、

よごれや悪を取り除いて、

清浄・清潔にすること。とあります。

しかし、なぜ清浄・清潔にしなければならなかったのか

なぜ浄化という概念が生まれたのかについて

インドの歴史から個人の見解を述べましょう!






インドの歴史

人類最初の文明と言われるインダス文明を担ったのは、

ドラヴィダ人であり、

アーリア人の侵略によってドラヴィダ人は、

南インドに下ることになります。

アーリア人の「アーリア(arya)」とは、

聖なるとか高貴なとかいう意味です。

そのアーリア人がドラヴィダ人を支配する過程で形作られたのが

バラモン教ですね。


ドラヴィダ人を追い出したアーリア人が自らを

「アーリア」聖なるとか高貴なという意味を

持っているので清いとし、

他の民族は、不浄であると考えカーストを生み出した。

カーストは、ヴァルナ制と呼ばれ、

「ヴァルナ」とは色を意味します。

現代で考えればひどい話で、肌の色によって

身分を作る制度ということになります。

アーリア人は肌が白くほかの種族は

肌の色が褐色であったり黒かったということです。




カースト制度

バラモン教の聖典の中に「マヌ法典」という

カースト制度を書いた聖典があるが、そのカースト制度には、



バラモン

クシャトリヤ

ヴァイシャ

シュードラ



といった身分制度があり、

その身分制度に応じた職業、結婚、食事を

すると言った習慣が義務付けられている。


バラモンが肌が白く、

シュードラになるとやはり肌の色は、

黒かったのだろうと推測されます。



インドの地方のほうでは、未だに、結婚に関していうと、

結婚相手は、親に決めてもらう

ということが普通であるそうです。

しかし、都心部の富裕層の中には、

自由な恋愛による結婚をするように

なってきたというのは、現代的な変化なのでしょう。



なぜ浄化とカースト制度が関係しているのか

古代からインドには、

「清潔(浄)」「不浄」という考えが

発展していたと考えられるからです。

身分制度に応じた食事を例にとってみると

バラモンが食べる食事は、だれが作ったのか?

身分の低いものが作ると

それは「不浄」であるとして

食べてはいけないとされ、

きちんとした身分の人間が作った

「食事」でなければ

食べてはいけないとする決まりや、

一緒に食事を食べるのは、

この身分の人と決まっているそうです。

古代インドでは、

「浄」清い、「不浄」汚いという考えが発展しており、

汚いものを徹底的に避けるような風習がありました。



しかし、きれいなものだけで

生きていけるかというとそうではなく、

「不浄」なものに触ることもしばしばあり、

その「不浄」を清くするために「浄化」という行為が

必要になってきたと考えられます。


有名な「浄化」のひとつに

ガンガー(ガンジス河)の「沐浴」があります。

「沐浴」をすることにより、

犯してきた罪や汚れを洗い流し

「浄化」することで、精神と身体をきれいにします。

(この辺の解釈は、様々あると思います)



日本で言えばお葬式の帰りに塩を持って帰り、

家に入る前に塩を肩に振って「浄化」すると

言うようなことだと思います。


すなわち「浄化」とは、

古代の昔から清潔を保つために行われる

儀礼であると言えます。

現代風に言うと「浄化」の対象が

身体であれば清潔を保つことで

致命的な病気を寄せ付けず

健康を守るということですし、

精神的なものであれば、

気分が晴れてポジティブになったり、

うつうつとした気分が前向きになったりする

と言うことでしょう。


眼には見えないスピリチュアルのことは、わかりませんが、


個人的に「浄化」とは、

「対象をきれいにする儀式」だというのが

インド的な見方をするにあたっての解釈だと思います。



普段何気なく使っている言葉でも、

考えてみると様々な背景があるという見本のような

言葉ですね。



「浄化しませんか?」と言われたら清くしてくれるのかしらと

期待に胸をふくらまして

お願いするのもいいかもしれませんね。

 
2020年08月18日 18:28