金というおくりもの。
「神秘の国インド」多種多様な思想と言語が飛び交い
共生の見本となりうる国インドは、
「世界一の金好き」
と言われている。
祇園精舎。平家物語で知られたここにも、金にまつわる話がある。
祇園精舎は、カーサラ国の太子ジェーダの所有地だったが、
(なにがしかの果樹園だった気がします)
それを豪商スダッタが
購入してお釈迦様に寄付しようとした。この時ジェーダは、
「果樹園の敷地いっぱいを金で埋め尽くしたならその金と
この果樹園とを交換しよう」といったところ
スダッタは、即座に金を家の蔵から持ち出し、
敷地いっぱいにならべていった。
本当に敷地が金で埋まってしまうくらい金を敷き詰めたが
あとは、敷地の入り口だけ金をならべれば買えるというところになって
太子ジェーダは「わかった。この土地を金と交換しよう」という
逸話もある。
もちろんこれは伝説のお話で本当にあったことかどうかは眉唾物だが
当時、お釈迦さまの名声が高く、しかも商業が発達していたので
いかにその富がおおきかったかが伺えるエピソードである。
そして、その富は、金に姿を変えた。
お釈迦さまの時代だから、だいたい紀元前500年ごろが有力なのかもしれないが
今から、2500年前にもインドという国は、「金を重要視している」
紀元前1200年最古の哲学であるウパニシャット哲学にも
ヴェーダ聖典の中に
「太古、宇宙は海であった。その水が繁殖しようと努力して
熱力を発し、その時、黄金の卵が出現した。一年後、
この卵からプラジャーパティ(=子孫の王)が生まれ、それが神々を創造した」
など、金についてのは、いとまがないほど古代から大事なものだと
文献には記述されている。
いま日本では、銀行に預けていても金利が増えないという理由から
金についての注目度がとても高まっている。
己が利益をえるというため、というよりは、どちらかというと
金のすぐにお金になるわけではないという性質上、10年20年後を見越して
金を子どもや孫のために買っておくという方は非常に多い。
己の利益ではなく、子孫のために金(財)を残すということは、
つまりは、自分だけの世の中ではなく、自分以外に大切にしたい人やもの、ことを
見つけ出せる、人が増えてきている。
それは、他人に優しくするという人間にとって当たり前のようで
なかなか実行することが難しい現代においては、いい一歩なのかもしれないと
金の売買を通じて感じたことです。
2019年07月30日 18:38