言葉はもともと魔術でした。
「言葉はもともと魔術でした。
われわれは言葉の力によって
他人を喜ばせることもできれば
絶望の淵に追いやることもできます」
と記述されています。
その言葉によって人を喜ばせることもできますし
または、意地悪な言葉を使って絶望の淵に追いやることもできるといっています。
あながち大げさな言葉ではない気がします。
ちょっと一言、人に褒められただけで、
気持ちがよくなったりして、謙遜して、いやいやそれほどでもなんて言ってみたり。
または、子どものいじめ問題においても、言葉による加害者の何気ない一言が
被害者の心を絶望へと落とし込むことは、よくあることです。
そこで、数年前に読んだ本の一説にとても涙したことがあるので、
載せてみようと思います。
その本の中で、カウンセリングの先生と言われる人が言っていた一言。
「誰だってそうなんだ、今は、生きるのがとても辛い時代なんです。
あなたはこれまでよくがんばってきたし、自分に嘘もついていない。
そういう人は余計に辛いんだ。周りを見てごらんなさい。
ひどいことばかり、ひどい人たちばかりです。
みんな混乱してるんです。いいですか、生きるのが辛い、
生きづらい、悪いことばかりが起こる。
お金もないし、健康状態も不安だし、幸福とはほど遠い。
幸福って何なのか、何だったのか、忘れてしまうほど、不安だらけだ。
しかも、誰も助けてくれないし、誰が悪いのかもわからない。
自分の才能や努力が足りないような気もするし、
他人のせいだという気もするし、世の中が間違っていて、
政治家が全部悪いような気もする。誰を憎めばいいのか、
わからない。だからいつも苛立って、怒りが湧いてくるけど、
その怒りを何に、どこに向ければいいのかわからない。
苛立ちと怒りは自分の中に溜まり続けて、
そこからまるで泉が湧くように、不安だけが湧き出て、
ほんのちょっとしたことで、死ぬほど寂しくなったり、
悲しくなったり、何かを壊したくなったりする。
それはね、決して異常じゃないんですよ。今はね」
なんとなく毎日が過ぎて、一生懸命生きてるんだけど、
なんとなく幸せとは思えなくて、将来だって不安で
自分の努力が足りない気もするし、
周りが悪い気もする。政治とか大きな力でなんとなく不安になっていたりする。
ちょっとしたことで不安になったり、悲しくなったり、寂しくなったり…。
そんなことを見透かされているような文章で、
なんとなく、涙が出てしまいました。
そして、そういう風に不安に思ったり、幸せってなんだっけ?って
幸せがわからなかったりするのは、
実は、今では、異常なことじゃないんだよ。と
慰めてくれるんですね。
君はおかしいわけじゃない。そう言ってほしかったのかもしれません。
言葉には、大きな力があります。
しっかりとした言葉を使って接客していこうと考えております。
2019年12月08日 18:47